【体験談】大手から中小企業に入ったけどうまくいかなかった話
2024.08.09
大手企業は高待遇や雇用が安定しているという点から人気の就職先です。
しかし、全国転勤や業務のプレッシャーから中小企業へ転職する人も多くいます。
私もその一人でしたが、中小企業での仕事は数年で辞めることになりました。
本記事では、実際に大手企業から中小企業へ転職した筆者の体験を基に、転職事情や両企業のギャップについてご紹介します。
大手企業から中小企業へ転職したが…
はじめに、私が大手企業から中小企業へ転職した理由と転職事情についてご紹介します。
転職理由
私が大手企業から中小企業へ転職を決意した理由はライフワークバランスです。
地方で生まれ育った私は、東京での満員電車や人混みが苦痛でした。
さらに仕事量も多く、毎日朝7時に家を出て夜22時に帰宅するという毎日を過ごしていました。
加えて、私が勤めていた会社では、8割は東京勤めという会社であったため、「この生活をあと40年は続けられない」と転職を決心しました。
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大手から中小企業への転職は簡単
大手から中小企業への転職は非常に簡単でした。
中小企業は即戦力を求めていることが多く、大手企業でのキャリアが評価されやすい傾向にあります。
実際、転職サイトを通じて多くのオファーを受け、すぐに転職することができました。
ただし、転職サイトによって掲載企業が異なるため、なるべく多くのサイトを登録しておいた方が、自分に合った企業を見つけることができます。
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転職はできたが、中小企業は合わなかった
私の場合、地方の中小企業に転職することはできましたが、結局2年で退職することになりました。
その理由は、大手企業での働き方と中小企業の働き方のギャップが大きすぎたためです。
結局、東京にあるベンチャー企業のフルリモートワーク職に再転職をすることで、満足のいくライフワークを形成することができました。
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大手と中小企業のギャップ
次に、私が中小企業を辞める原因となった、大手企業と中小企業のギャップについてご紹介します。
現在大企業から中小企業への転職を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
年収・福利厚生
まず、年収や福利厚生に大きな違いがあります。
大手企業では、基本給やボーナスが安定しており、高年収が期待できます。
実際、私も新卒3年目で600万円を超える年収を稼いでいました。
また、学習補助や冠婚葬祭に関する割引はもちろん、業務後にビールが飲めたりと福利厚生も充実しています。
一方、中小企業では、年収も低く福利厚生も必要最低限であることが多いです。
私の場合は年収が-100万円、福利厚生もほとんど使えるものはありませんでした。
コンプライアンス意識
コンプライアンス意識も、大手企業と中小企業の間で大きな違いがあります。
大手企業では、コンプライアンスに対する意識が非常に高く、厳格なルールやガイドラインが設けられています。
また、私の会社では、年に一度は全社員にコンプライアンス研修の実施が義務づけられていました。
中小企業では、コンプライアンス意識が大手企業ほど高くないことが多いです。
ルールやガイドラインは存在しますが、徹底されていないことがあり、社員の認識もまちまちです。
実際、私の上司は「ワクチン接種で熱が出るやつは気合が足りない、弱いやつ」と社員の前で発言する、会社のサービスを社員に強制で入会させるなどグレーなことをしていました。
他にも、役員が会社のテレビを使って私的な理由で番組を録画する、離席時はPC画面のロックをしない等が当たり前の環境となっていました。
コンプライアンス意識の違いは、働きやすさや職場環境に大きな影響を与えます。
自分の価値観や働き方に合った企業を選ぶことが重要です。
ITリテラシー・スキル
大手企業と中小企業では、社員のITリテラシーやスキルにも大きな差があります。
大手企業では、最新の技術やツールが導入されており、社員も高度なITスキルを持っています。
これにより、業務の効率化や高度なプロジェクトの実現が可能となります。
中小企業では、ITリテラシーやスキルが社員によって大きく異なることが多いです。
一部の社員は高度なスキルを持っているものの、多くは基本的なITスキルに留まっていることが一般的です。
このため、新しいツールや技術の導入が難しく、業務の効率化が進まないことがあります。
私が中小企業に転職した際も、この差に苦労しました。
まず一番辛かった点はPC環境です。
PCがデスクトップ型で会議室には持ち込めず、皆当たり前のようにメモ帳で仕事をしていました。
もちろんデュアルディスプレイも、テレワークもありません。
また、Google Workspace(GmailやGoogleカレンダー)やその他のクラウドソフトも会社の情報委員会規則で禁止とされていました。
これは、会社の上層部のITリテラシーが低く、「よく分からないから禁止しておこう」という考えによるものです。
ITリテラシーやスキルの違いは、業務の効率や質に直結します。
大企業出身の人からすると、フラストレーションの溜まる職場環境になるかもしれません。
業務の質
業務の質に関しても、大手企業と中小企業の間には明確な違いがあります。
大手企業では、業務プロセスが厳密に管理されており、品質管理も徹底されています。
また、ISOやプライバシーマークなどの規格にも遵守しているため、外部からの監査にも対応しています。
これにより、高品質なサービスや製品を提供することが可能となります。
中小企業では、業務プロセスや品質管理が大手企業ほど徹底されていないことが一般的です。
限られたリソースの中で多くの業務をこなすため、品質に対する意識が低下することがあります。
また、業務プロセスが曖昧であるため、ミスやトラブルが発生しやすい状況です。
例えば、私は大手企業の監視・運用業務を行っていたのですが、1秒以上のサービス断は事故対応扱いとしていました。
一方中小企業でも似たような仕事をしていたのですが、その際は特に規定がなく、上長の気分によって事故対応扱いにするかどうか決めていました。
中小企業で働いていると、業務プロセスの曖昧さや品質の低さに不信感を感じるようになります。
これにより、業務の進め方に対するモチベーションが低下し、ストレスが増大しました。
一方で、仕事の質を求めない人にとっては天国ともいえる場所と言えます。
大手企業よりも緩く仕事ができるため、プレッシャーなく毎日を過ごすことが可能です。
人間関係
最後に、人間関係の違いも大手企業と中小企業の間で大きなギャップがあります。
大手企業では、性格が合わない人がいたとしても、仕事に影響することはありません。
お互い大人であるため、チームメンバーを尊重しながら仕事をします。
しかし、中小企業の場合は、如実に仕事の邪魔や嫌がらせを受けることになります。
同僚が担当していたプロジェクトも、別部署の上司に目を付けられて一向に承認が降りない事態となっていました。
業務の内容ではなく、実行する人で承認する・しないを決めているような状態です。
中小企業の場合は、人間関係は働きやすさや仕事の満足度に大きく影響します。
新しい環境に馴染むためには、良好な人間関係を築くことが不可欠です。
自分にあった就職先を選ぶには
大手企業から中小企業への転職が必ずしも成功するわけではありません。
自分のライフワークやキャリアプランを考え、それに合った企業を選びましょう。
中小企業に転職する場合は、企業文化や働き方を事前にリサーチすることが重要です。
その企業についてよく知るには、転職エージェントの活用がおすすめです。
転職エージェントは、業界の特徴や会社の内情についても精通していることが多く、的確なアドバイスを受けることができます。
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転職エージェントを活用し、転職活動をより良いものにしましょう。
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