監視・運用部門の内情を暴露!本当につらいのは・・・

監視・運用部門の内情を暴露!本当につらいのは・・・

Webサイトやシステムの安定稼働を支える監視・運用部門。
下流工程として、未経験からエンジニアになった人が任されやすい部門です。
しかし、その裏にはたくさんの苦労や困難があります。

本記事では、監視・運用部門で5年働いた経験を基に、監視・運用部門の内情を紹介します。

監視・運用部門とは

監視・運用部門は、企業や組織のITインフラが正常に機能し続けるよう、システムの監視や運用管理を行う部門です。

具体的には、サーバーやネットワークの稼働状況をリアルタイムで監視し、異常が発生した際には迅速に対応することが求められます。
また、定期的なシステムメンテナンスやセキュリティパッチの適用、バックアップの管理なども監視運用業務の一環です。
(参考:厚生労働省 jobtagより)

監視・運用業務は、デザイナーやフロントエンドと比べると地味で目立たないかもしれません。
しかし、アプリやWebサイトが安定して稼働し続けるためには不可欠な存在です。

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監視・運用部門の内情

監視・運用部門についてネットでは、「仕事が楽」や「つまらない」といった声をよく聞きます。
しかし、業務の詳細や内部事情まで書かれている記事やニュースは多くありません。

ここからは、監視・運用部門の内情をご紹介します。
監視・運用部門エンジニアの将来や現実を見ていきましょう。

利益の出ない部署として扱われる

まず、監視・運用部門は、ITインフラを安定稼働させるための部署です。
営業や開発部門が新しい製品やサービスを生み出し、売上を上げるのに対し、監視・運用部門はそのインフラを支えるだけで、直接的な収益を上げることはありません。

そのため、「利益を生まない部署」というレッテルを貼られているのが現状です。
また、予算の優先順位においても後回しにされることが多く、必要なツールやリソースが十分に確保されない場合があります。

私が勤めていた会社では、監視・運用部門の予算が削られていき、その代わりにAI等の先端技術関連の部署に予算が注ぎ込まれていました。

真っ先に人員削減される

監視・運用部門は、人員削減の対象になりやすい部門でもあります。
上述した予算の関連で、コストを抑えるために人員も削減されるのです。

また、最近では「自動化」という名目でも削減されています。
AIによる障害の予兆検知やシステムによる自動復旧をさせることで人的リソースを減らす方向となっています。

実際、私が監視・運用部門に入った当時は10人程度の部署でした。
しかし、約3年で6人にまで削減されてしまいました。
新入社員も入らず、部署異動による人員トレードはあっても、純増することはありません。
一緒に仕事をしていた同僚に「泥船(監視・運用部門)に残っていても将来ないぞ」と言われたのを今でも覚えています。

人員削減が行われると、残されたエンジニアたちにかかる負担は急激に増加します。
例えば、私の部署では当初2〜3名で監視していましたが、3年後には1名で監視するようになっていました。
残ったメンバーが過重労働に耐えきれずに離職や休職するケースも増え、結果としてITインフラの品質が低下していきました。

昼休憩をゆっくり取れない

監視・運用部門のエンジニアは、昼休憩をゆっくり取ることができません。
システム障害や異常が発生した場合、即座に対応しなければならず、たとえ昼食中であっても、すぐに業務に戻ることが求められるためです。
このため、まともに休息を取る時間がなく、常に緊張感を持って働くことを余儀なくされます。

上記のような働き方は、法律上グレーな働き方です。
私の上司からも、「昼休憩時は監視席から離れたところで取って良い」と言われていました。
しかし、障害が発生すると対応が必要であるため、その行為が無駄であると判断し、社員側は従わずに監視席で昼食を取っていました。

また、他の部門では考えられないかもしれませんが、昼食の時間すら不規則になりがちです。
例えば、11時57分に障害が発生すると、障害対応及び事後作業で14時頃まで拘束されます。
私も、カップラーメンにお湯を入れた瞬間に障害が起こり、2時間後に冷めきったカップラーメンを食べたこともあります。

プライベートな時間が奪われる

監視・運用部門のエンジニアはプライベートな時間も奪われがちです。
監視・運用部門は、基本的に24時間365日の対応が必要ですが、企業の予算やリソースによっては十分に用意できない場合があります。

その場合、宿直対応や当番制による自宅待機をしなければなりません。
宿直は、職場の簡易休憩所で待機する勤務方法です。
障害がなければ職場のベッドで寝て終わりですが、障害発生時は深夜でも起きて対応します。
また、当番制による自宅待機では、業務終了後に帰宅しますが、障害発生時は再度出社する必要があります。
これにより、家族との時間や趣味に費やす時間が大幅に制限されることが多いです。

私の場合は、週に1度の頻度で宿直や自宅待機をしていました。
障害時はスマホのメールにて通知が来るような運用でした。
そのため、夜は風呂場やトイレにもスマホを持ち歩き過ごします。
また、メールの着信音に気付く必要があるため、スマホの音量は常に最大、通知の度に爆音がなるため心臓にも悪いです。
監視運用部門を離れた今でも、当時の着信音を聞くと不安や焦燥を感じることがあります。

他にも、休日に自宅待機をしなければならない日もありました。
遠出の外出が制限され、プライベートな時間も心身を休められない日々でした。

監視・運用部署の飲み会は全員揃わない

監視・運用部門では、全員が一斉に集まる機会が極めて少ないです。
理由はシンプルで、24時間体制でシステムを監視し続ける必要があるため、誰かが必ずシフトに入っているためです。

このため、チームのコミュニケ-ション不足や息抜きができず、疎外感を感じることもあります。

最もつらい役職は「課長」

ここまで、監視・運用部門メンバーに関する、仕事の内情を紹介してきました。
しかし、監視・運用部門において最もつらい役職があります。
それは、課長です。

課長は、部署が担当する範囲の責任を負う必要があります。
そのため、課長は部署内で発生した障害のエスカレーション先となっているのです。
つまり、24時間365日を責任者として1人で対応しなければなりません。

私の上司は、3日連続で深夜に障害によるエスカレーション対応、翌日も9時から出社するといった過酷な日々を過ごしていました。

また、管理職は予算や人員の調整も仕事の一つです。
予算や人員が減らされる傾向にある監視・運用部門の課長は、部署のメンバーを守るために、いつも他部署と業務調整で戦っていました。

このように、多くの責任を背負いながら、限られた時間とリソースの中で部門を運営しなければならない課長は、まさに「最もつらい役職」と言えるでしょう。

まとめ

本記事では、監視・運用部門の内情についてご紹介しました。
「楽な仕事」、「つまらない」と言われがちな監視・運用の仕事ですが、知られている以上に過酷な仕事です。

しかし、同時に、この部門で得られる経験やスキルは、他では得られない貴重なものでもあります。
システム全体を俯瞰する視点や、トラブルに対する冷静な判断力、顧客目線の対応などエンジニアとして大きく成長することができます。
厳しい環境だからこそ得られるものも大きいということを、ぜひ覚えておいてください。

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