IT資格は不要?実際に取得した資格の活用状況を公開!
2024.08.21
基本情報技術者試験やOracleやCCNAと言ったベンダー資格など、IT系の資格は数多く存在します。
しかし、 IT業界で働くうえで、本当に必要なのでしょうか。
実際、10年ほどIT業界で働いている私からすると、資格はそれほど重要ではないと感じています。
本記事では、実績や資格がIT企業の現場においてどれほど重要であるか解説します。
実績・経験があればIT資格は不要
IT業界では、資格が無くても成功するエンジニアが多く存在します。
また、実績や経験が評価される場面が多いため、資格が必ずしも必要ではありません。
ここでは、実績や経験がどれほど重要かについて詳しく見ていきましょう。
IT資格よりも実績・経験が重要
IT業界では、資格よりも実績や経験が重視されることが多いです。
これは、資格は知識を証明する一つの手段に過ぎず、実際の現場でのパフォーマンスが最も重要視されているためです。
実際の現場では、資格取得のために勉強した知識がそのまま役立つことは少なく、実践的な問題解決能力が求められます。
例えば、システムトラブルが発生した際に迅速に対応できるか、新しい技術に対して柔軟に適応できるかが重要です。
これらの能力は、資格取得では身に着けることはできません。
実際、私の周りでは資格を保有している人は少ない環境でした。
また、持っていたとしても、「会社から取るように言われてしょうがなく」といった理由で取得している人が多かったです。
現役エンジニアのIT資格取得と活用状況
私自身、半分は趣味ですが、資格を数多く取得しています。
ここでは、私が取得した資格と、その資格がどのように役立ったかをご紹介します。
- 工事担任者 総合通信
通信・インフラ系の国家資格です。
資格を保有することで、光ケーブルや電話回線の接続などの端末接続工事に対応することが可能となります。
しかし、当時の私の仕事では全く使いませんでした。
会社から取得するように言われて取った資格ですが、現在に至るまで日の目を浴びたことは一度もありません。
強いて言えば、会社からの資格取得奨励金の3万円を得られたくらいでしょうか。 - AWS Certified Solutions Architect – Associate
クラウドサービスであるAWSのベンダー資格です。
本資格はフリーランスエンジニアをする上で役立っています。
案件に応募要件として、AWS関連ではAssociate系の資格を持っていることを条件にしていることが多いためです。
他にも、AWS資格には上位資格である Professional 認定もありますが、現状では必要性を感じないため取得には至っておりません。 - Microsoft Azure Fundamentals(AZ-900)
クラウドサービスであるAzureのベンダー資格です。
マルチクラウド構成を取る企業も増えてきたため、Azureの学習も兼ねて取得しました。
資格自体は役に立っていませんが、知識としては活用できていると感じています。 - JDLA G検定(ジェネラリスト検定)
AIに関する民間資格です。
本資格は、今まで業務では役に立ったことはありません。
ただし、私は副業としてIT系の記事やコラムを執筆する機会があるため、AIの基礎知識という点では役に立っています。 - IoTシステム技術検定[基礎]
こちらもIoTに関する民間資格です。
G検定と同じく、ライター業における知識として役に立っています。
また、本資格は社会人時代に取得し、会社から奨励金(1万円)を貰いました。 - Google プロフェッショナル認定
Google の認定資格プログラムです。
サイバーセキュリティとデータアナリティクスの2つの資格を取得しました。
取得理由は「無料で取得できたため」です。
本資格に関しては、資格としても知識としても活用していないように感じます。 - SNSマーケティング検定
マーケティングに関する民間資格です。
IT系とは少し異なりますが、SNSとWeb制作はマーケティングにおいて密接な関係があるため取得しました。
この知識は、フリーランスとして独立した際の個人のマーケティングに活用することができています。
このように、私が取得したほとんどの資格は、活用されずに肩書だけついている状況です。
中には資格を保有しているため、案件が採用されたケースもありますが、それでも全体の2割程度という体感です。
未経験の場合はIT資格を取得しておきたい
ここまで、IT資格はなくても仕事ができるというお話しをしてきました。
しかしながら、IT未経験の場合は話が変わります。
IT業界でのキャリアをスタートさせる際、未経験者にとって資格は非常に有効な手段となります。
その理由は、実務経験をアピールできないためです。
私の場合は、資格以外にも多数のプロジェクト経験やマネジメントの経験をアピールすることで、採用・評価に繋がっています。
未経験者の場合、実務経験を書くことができないため、資格やポートフォリオでアピールする必要があります。
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IT資格に関するエンジニアの本音
資格を持つことが直接的なメリットに繋がるケースもあれば、資格が実務に活かせないと感じることもあります。
ここからは、IT資格を取得するメリットやエンジニアとしての本音をご紹介します。
給与アップのために資格を取得する
IT資格を取得する大きな動機の一つは、給与アップです。
私の会社の場合、資格取得をすると人事評価制度の内申がアップし、給与が上がりやすくなっていました。
また、上記で述べたように資格取得奨励金制度があったため、直接的に収入を増やすことができました。
簡単な資格の場合は1万円程度でしたが、高難度の資格は10万円の報奨金がでる資格もありました。
趣味・自己研鑽のために資格を取る
IT資格を取得するもう一つの理由は、趣味や自己研鑽の一環としてです。
私自身、勉強は好きではありませんが、嫌いでもありません。
それどころか、半年に1回は知的欲求が出てきて勉強したいという気持ちが現れてきます。
資格取得を通じて、自分のスキルセットを広げることができるため、自己満足や達成感を得ることができます。
資格を取得しても実務で活かせない
私の場合、給与や評価のために資格を取得していますが、実務に関しては役立たないと感じることが多いです。
これは、資格試験で問われる知識と実際の業務で求められるスキルにはギャップがある場合が多いためです。
実務ではマニュアルもありますし、忘れていることはインターネットで調べることができます。
コマンドや構文を暗記する必要もありません。
それよりも、自社のアプリで採用しているフレームワークや技術について個別に学習することが重要となります。
資格は基礎知識を証明する一つの手段であり、実務で求められるスキルや経験を補完するものとして考えておきましょう。
法定配置基準・要件を満たすために必要
一方で、企業のために資格を取得する場合もあります。
IT業界では、一定の資格を持つ技術者を配置することが法律で定められている場合があります。
例えば、第一級陸上特殊無線技士(一陸特)などの資格はISP企業では必ず配置が必要な資格です。
また、AWS サービスパートナーティアなどの制度では、AWS資格保有者の人数が定められています。
顧客や取引先に対して、資格を持つ専門家が在籍していることをアピールすることで、信頼性を高めることができます。
このように、会社のために資格取得をするケースもあります。
まとめ
IT資格について、実際に取得した資格の活用状況とエンジニアの本音を紹介しました。
IT資格は、実績や経験が重視される一方で、未経験者や特定のニーズに対しては資格が有効です。
IT資格は、エンジニア個々のキャリアパスや企業の方針によってその価値が変わります。
資格取得は決して無駄ではなく、自分のスキルを客観的に証明する手段として有効です。
しかし、資格だけに頼らず、実務経験や自己研鑽を続けることで、より充実したキャリアを築くことができます。
資格と実務経験をバランスよく活用し、IT業界での成功を目指しましょう。