プロジェクトマネージャー(PM)が原因で案件炎上!その理由は?
2024.08.09

HP制作やアプリ開発プロジェクトにおいて、最も重要な役割であるプロジェクトマネージャー(PM)。
しかし、プロジェクトマネージャー(PM)が原因で案件が炎上することも少なくありません。
本記事では、PMが原因でプロジェクトが炎上した事例を基に、その理由と対策についてご紹介します。
プロジェクトにおける炎上案件とは

プロジェクトにおける炎上案件とは、計画通りに進まない、問題が頻発する、納期が大幅に遅れる、予算を超過するなど、様々な問題が発生する状態を指します。
プロジェクトが炎上状態になると、チームはその対応に追われ本来の業務に支障をきたします。
また、これらの問題はクライアント側にも共有され、支払いの減額や最悪の場合プロジェクトが頓挫することもあります。
プロジェクトマネージャー(PM)が原因でプロジェクト炎上した事例

PMがプロジェクトの成功に果たす役割は極めて重要です。
しかし、PMの能力や行動がプロジェクトの進行を妨げることもあります。
ここからは、現役エンジニアである筆者が経験した、PMが原因でプロジェクトが炎上した事例についてご紹介します。
プロジェクトマネージャー(PM)のITスキルが不足していた
プロジェクトマネージャー(PM)のITスキルが不足していることでプロジェクトが炎上したことがあります。
PMは一般的にプロジェクトリーダー(PL)やメンバーとしてある程度経験をした後に任せられる役割です。
また、フロントエンドやバックエンド、インフラなど全体的な知識が必要となります。
しかし、当時の私が参加していたプロジェクトでは、経験の浅いPMが担当していました。
そのPMはバックエンド開発を少し経験した程度でPMをしており、その他の分野はほとんど知識を持っていませんでした。
そのため、フロントやインフラ部分はメンバーに一任することしかできず、アプリ全体がチグハグな設計となり炎上してしまったのです。
具体的には、キャッシュ戦略がインフラチームとバックエンドチームで認識が異なり、データベースの負荷が上がってしまう結果となりました。
他にも、環境変数の管理方法やAPI設計でも多数のコミュニケーションエラーが発生し、開発手戻りが多数発生しました。
PMはPJ全体を担う役割であるため、メンバーとの対話が最も重要です。
各分野で設計可能な部分においては、定例会でしっかりと意識合わせしておく必要があります。
プロジェクトマネージャー(PM)がプロジェクトを6個も掛け持ちしていた
プロジェクトマネージャー(PM)が複数のプロジェクトを同時に管理することは時々ありますが、あるPMは同時期に6つのプロジェクトを掛け持ちしていました。
PMは2〜3つのプロジェクトが限界とされています。
このような状況では、PMは各プロジェクトに十分な時間を割けません。
実際、私が参加していたプロジェクトでも、PMが各プロジェクトの詳細な進捗状況を把握できず、問題が発生しても迅速に対応できない状況でした。
結局このプロジェクトでは、炎上しながらもメンバーがカバーすることで事なきを得ました。
PM側にも会社の状況や上司からの圧力など様々な要因があるかと思いますが、自身のスキル以上の仕事は断ることが大切です。
もしくは、PMOやPLを入れることで事態の悪化を防ぐことができたかもしれません。
単なるファシリテーターになってしまった
顧客とのミーティングの際、PMはプロジェクトの代表として進捗状況や今後のプランを伝える役割を果たします。
しかし、PMが進捗管理を怠っている場合や、PJの状況を把握していない場合、単なるファシリテーターになってしまいます。
例えば、「フロント部分について(メンバー)さん、お願いします。」と言うだけ、顧客側からの質問も担当者に答えさせる、などの進め方です。
これでは、顧客側が「担当メンバーに聞いた方が早い」となり、ミーティング外の顧客からの連絡がPMを飛ばしてメンバー宛にくるようになります。
結果として、開発メンバーが電話を取るようになり、開発に充てる時間が削られてしまいました。
これにより、プロジェクトの進捗に遅れが出るようになりました。
人員集めに難航した
アプリ開発やシステム開発プロジェクトは、規模にもよりますが数十人で開発することも少なくありません。
しかし、PMが人員集めに難航した場合、プロジェクトは計画通りに進行しない可能性があります。
特に、最近ではITエンジニアの人材不足が顕著となっており、求人やSES会社に依頼をした場合でも人材を確保することが難しくなっています。
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私が参加していたプロジェクトでは、キックオフ開始後の段階で3名不足の状態でした。
PMも会社の伝手や転職サイト経由で募集をしていましたが、人員を確保できたのはプロジェクト開始から2か月を過ぎたころになっていました。
また、人員確保後もそのメンバーが本格稼働するには時間がかかります。
後入りしたメンバーは、プロジェクトがある程度進んでいるため、プロジェクトのキャッチアップに1週間程度必要です。
その間も既存のメンバーがフォローしなくてはいけないため、スケジュール調整が更に難しくなります。
PMはITスキルだけでなく、エンジニアのネットワークにも精通する必要があります。
また、企業やPMも頻繁に転職サイトやフリーランス向け案件紹介サイトを利用してエンジニアの確保に努めています。
エンジニアとして働きたい人は、複数の転職サイトや案件紹介サイトに登録しておくと良いでしょう。
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顧客とのコミュニケーションが不十分だった
プロジェクトの炎上回避には、顧客との良好なコミュニケーションが欠かせません。
むしろ、顧客とのコミュニケーションが取れていればある程度の問題は目をつむってくれます。
顧客とのコミュニケーションが不十分な場合、顧客側でフラストレーションが溜まりやすくなります。
これが原因で、些細な問題でも対策や予防策を要求するようになり、開発に遅れが生じてしまいます。
定期的なミーティングや進捗報告を通じて、顧客との情報共有を徹底することが大切です。
パワハラ体質のPMでメンバーが脱落
プロジェクトマネージャー(PM)にもさまざまな人がいます。
中にはパワハラ体質のPMもおり、このような人がプロジェクトを管理する場合、チームの士気が大きく低下し、メンバーが脱落していくことがあります。
私が参加していたプロジェクトでは、メンバー側がPMの方向性に意見を言うと機嫌が悪くなり、最終的には「いいからやってください!」と強い口調で話していました。
理不尽な指示や罵倒により、メンバーのモチベーションが低下し、仕事の質や生産性が低下します。
実際、開発後の運用まで予定したメンバーは、開発終了後にプロジェクトを離脱することになりました。
また、PM側もその素行が会社に伝わり、契約更新の際に契約終了になったと聞いています。
よぼよぼのおじいちゃんPMが来たことも
最後に、炎上案件にはなりませんでしたが、1週間で契約解除となったプロジェクトマネージャー(PM)の話をご紹介します。
それは、よぼよぼのおじいちゃんPMの話です。
新規プロジェクト開始時、私のプロジェクトにアサインされたPMは65歳を過ぎているであろうおじいちゃんでした。
どこから探してきたのか不思議でしたが、会社曰く「上位の資格をいっぱい持っていたので採用した」とのことでした。
仕事ができれば年齢は関係ないため、顔合わせも早々に仕事を始めました。
しかし、初日からおじいちゃんPMはメンバーに初歩的な質問をするだけだったのです。
その後も「何をすればいい?」、「よく分からない」とPMの立場とは思えない言動が目立ち、1週間で解雇となりました。
このまま続けていれば炎上案件となっていたため、メンバーとしては良い判断ができたと思っています。
まとめ

本記事では、プロジェクトマネージャー(PM)が原因でプロジェクトが炎上する理由を7つの具体的な事例を通じてご紹介しました。
PMのITスキル不足、過剰なプロジェクトの掛け持ち、進捗管理の怠り、そしてパワハラ体質など、様々な要因がプロジェクトの進行を妨げることがあります。
これからPMのキャリアに進む方は本記事を反面教師にしていただければ幸いです。