「コンピューター社会の裏方たち」~日本のシステムインテグレーター、知られざる奮闘の歴史~
2024.08.20
みなさん、こんにちは!今日は、普段あまり注目されることのない”システムインテグレーター”という職業について、その歴史をひもといていきたいと思います。でも、ちょっと待って!「システムインテグレーターって何?」って思った人、大丈夫です。私も最初は「システム…インテグ…何?」って感じでした(笑)。
システムインテグレーターって何者?
まず、システムインテグレーター(略してSI)とは、簡単に言うと「コンピューターシステムの設計から導入までを一手に引き受ける会社や人たち」のことです。つまり、私たちが普段何気なく使っているスマホアプリやウェブサービス、会社で使う業務システムなどを作る裏方さんたちなんです。
でも、彼らの仕事はそれだけじゃありません。システムを作るだけでなく、お客さんの要望を聞いて、最適なシステムを提案し、時には異なるシステム同士をつなげたり、新しい技術を取り入れたりと、まさに”縁の下の力持ち”的存在なんです。
時代は巡る!システムインテグレーターの誕生
さて、ここからが本題。日本のシステムインテグレーターの歴史は、実は波乱万丈なんです。
1960年代:コンピューター黎明期、SIの卵たち誕生
1960年代、日本にコンピューターが登場し始めました。当時のコンピューターと言えば、今のスマホどころか、家一軒分くらいの大きさがあったんです。想像できますか?今の若者の皆さんには「エッ、そんな大きなの!?」って感じかもしれませんね(笑)。
この時代、コンピューターを作る会社(ハードウェアメーカー)が、自社製品を売り込むために、ついでにソフトウェアも作り始めました。これが、日本のシステムインテグレーターの始まりと言えるでしょう。
ある日、とある大手電機メーカーの営業マンが、ある会社にコンピューターを売り込みに行きました。
営業マン:「はい、こちらが最新鋭のコンピューターでございます!」 お客さん:「うーん、でも使い方が分からないなぁ…」 営業マン:「あ、そ、それなら…(焦)ソフトウェアもお作りいたします!」
こんな感じで、半ば強引に(?)ソフトウェア開発も始めることになったんです。今で言う「営業トークで無理して受注しちゃった」パターンですね(笑)。
1970年代:SIの黄金時代の幕開け
1970年代に入ると、日本は高度経済成長期。企業は次々とコンピューターを導入し始めました。「うちも負けてられない!」という具合に、コンピューター導入ブームが起きたんです。
この時代、ある中小企業の社長さんがこんなことを言ったそうです。 「うちもコンピューターを入れるぞ!…って、どう使うんだ?」
そう、コンピューターを買っても、使い方が分からない。そこで登場したのが、システムインテグレーターたちです。彼らは、コンピューターの導入から、使い方の説明、さらには業務に合わせたソフトウェアの開発まで、何でもこなす”便利屋さん”として大活躍しました。
実は、この時代のシステムインテグレーターたちは、今で言う”オタク”的な存在だったんです。コンピューターマニアで、新しい技術に目がない。そんな彼らが、企業の中で「コンピューターの達人」として重宝されるようになったんですね。
ある会社では、システムインテグレーターが「コンピューターの神様」と呼ばれ、社員食堂で特別メニューが用意されたという噂も…(本当かな?)。
1980年代:オフィスコンピューター時代、SIの苦難
1980年代に入ると、オフィスコンピューター(オフコン)が普及し始めます。これは、今のパソコンの先祖みたいなもので、各企業が独自のシステムを作り始めた時代です。
ところが、この時代のシステムインテグレーターたちは、ちょっとした危機に直面します。なぜって?各企業が独自のシステムを作り始めたため、「うちの会社専用のシステムを作ってよ」という要望が増えたんです。
ある日のシステムインテグレーターの会話: A:「今日も徹夜か…」 B:「ああ、うちの会社だけのための給与計算システムを作れって…」 A:「おいおい、そんなの他の会社じゃ使えないじゃないか」 B:「そうなんだよ…でも、お客様の言うことは神様の言うこと…」
こんな感じで、システムインテグレーターたちは、各企業の要望に応じて、一から十まで独自のシステムを作らされることになったんです。これが後々、大きな問題になるんですが…それはまた後で。
1990年代:バブル崩壊とオープン化の波
1990年代、日本はバブル経済が崩壊。企業は経費削減に走り、IT投資も見直しの対象に。この時代、システムインテグレーターたちは、「安く、早く、そして使いやすく」というプレッシャーにさらされることになります。
同時に、パソコンの普及とインターネットの登場により、システムのオープン化が進みました。つまり、「誰でも使えるシステム」が求められるようになったんです。
ある日のシステムインテグレーターの悲鳴: 「えー!? 今まで作ってきた独自システムを全部捨てろって!?」
そう、1980年代に頑張って作った独自システムが、この時代には「レガシーシステム(古いシステム)」と呼ばれ、お荷物扱いされるようになったんです。システムインテグレーターたちは、新しい技術を学びながら、古いシステムの置き換えという大仕事に追われることになりました。
2000年代:ITバブルと崩壊、そして再起
2000年、「ミレニアム問題」という、コンピューターが2000年を正しく認識できないかもしれないという問題が世界中で話題になりました。結果的には大きな問題は起きませんでしたが、これを機に多くの企業がシステムを更新。システムインテグレーターたちは大忙しでした。
ある会社での会話: 社長:「2000年問題?そんなの大丈夫か!?」 システムインテグレーター:「はい、もちろんです!(汗)」 社長:「よし、じゃあついでに全部新しくしちまえ!」 システムインテグレーター:「えっ…(困惑)」
その後、ITバブルが到来。「IT」という言葉が流行語にもなり、システムインテグレーターたちは引く手あまたでした。しかし、このバブルもすぐに崩壊。多くのIT企業が倒産し、システムインテグレーターたちも厳しい時代を迎えます。
でも、彼らは諦めませんでした。新しい技術を学び、クラウドコンピューティングやビッグデータ分析など、次々と新しいサービスを提供し始めたんです。
2010年代:クラウド時代の到来とSIの変革
2010年代に入ると、クラウドサービスが普及し始めます。「システムを自社で持つ必要はない」という考え方が広まり、システムインテグレーターたちは再び危機に直面します。
ある日のミーティング: 上司:「クラウドの時代だ。我々の出番はもうないのかもしれない…」 若手SI:「いえ、違います!むしろ、今こそ我々の出番です!」 上司:「何!? どういうことだ?」 若手SI:「クラウドを使いこなすには、専門知識が必要です。我々が橋渡し役となれるはずです!」
そう、システムインテグレーターたちは、クラウドサービスを使いこなすための「コンサルタント」としての役割を果たすようになったんです。さらに、異なるクラウドサービスを連携させたり、セキュリティを強化したりと、新たな付加価値を生み出す存在として進化していきました。
2020年代:デジタルトランスフォーメーション(DX)時代のSI
そして現在、デジタルトランスフォーメーション(DX)という言葉をよく耳にするようになりました。これは、デジタル技術を使って、ビジネスモデルを変革していくという考え方です。
システムインテグレーターたちは、今や単なる「システム屋さん」ではありません。企業のビジネスモデルそのものを変革する「変革のパートナー」として、重要な役割を担っているんです。
ある企業でのDXプロジェクト: 経営者:「うちも、そのDXってやつをやりたいんだが…」 システムインテグレーター:「はい、ではまず御社のビジネスモデルについて教えてください」 経営者:「え?システムの話じゃないのか?」 システムインテグレーター:「いえ、DXは単なるシステム導入ではありません。御社のビジネスを根本から変革する可能性を秘めているんです」
こんな感じで、システムインテグレーターたちは、今や経営者と同じ目線で、企業の未来を考える存在になっているんです。
終わりに:システムインテグレーターの未来
さて、ここまで日本のシステムインテグレーターの歴史を振り返ってきました。彼らは、時代の変化に合わせて、自らも変化し続けてきました。
- 1960年代:コンピューター売り込みのおまけ係
- 1970年代:コンピューターの便利屋さん
- 1980年代:独自システムの職人
- 1990年代:オープン化の波に揺れる革命家
- 2000年代:ITバブルとその崩壊を乗り越えた生存者
- 2010年代:クラウド時代のナビゲーター
- 2020年代:DX時代の変革パートナー
そして、これからも彼らの役割は変化し続けるでしょう。AIやIoT、ブロックチェーンなど、次々と新しい技術が登場する中、システムインテグレーターたちは、それらを使いこなし、新しい価値を生み出していくことが求められています。
ある若手システムインテグレーターの言葉: 「僕たちの仕事は、技術と人、そしてビジネスをつなぐこと。それって、すごくワクワクする仕事だと思うんです」
確かに、システムインテグレーターの仕事は、一見地味で分かりにくいかもしれません。でも、彼らがいなければ、私たちの生活を便利にしてくれるたくさんのサービスは存在しなかったでしょう。
みなさんも、スマホを使ったり、オンラインショッピングをしたりするとき、その裏で頑張っているシステムインテグレーターたちのことを、ちょっと思い出してみてください。彼らは、私たちの知らないところで、日々奮闘しているんです。
そして、もしかしたら、あなたも未来のシステムインテグレーターかもしれません。技術が好きで、人の役に立ちたいと思う人なら、きっとこの仕事は面白いはずです。
システムインテグレーター、実は超クールな職業なんです。これからの時代、ますます重要になっていく彼らの活躍に、ぜひ注目してみてくださいね!