【外国語×IT】英語ができる人必見!ブリッジSEについて解説!
2024.08.09
グローバル化が進む現在、海外拠点の展開やオフショア開発など、IT業界も外国語を扱えるグローバル人材が求められています。
実際、現役エンジニアである私も、ベトナムやアメリカの企業と共にオフショア開発やパートナーとして業務を行ってきました。
本記事では、外国語とITを組み合わせた仕事である「ブリッジSE」について詳しく解説します。
ブリッジSEとは
はじめに、ブリッジSEについて解説します。
ブリッジSEとは、日本以外の開発メンバーとプロジェクトを行う場合に、日本人メンバーとの橋渡しをするエンジニアです。
ブリッジSEの必要性
ブリッジSEは単なる通訳ではありません。
国際的なプロジェクトでは、文化や業務プロセスの違いが大きな障害となることがあります。
これを克服するためには、ブリッジSEが中心となって両者を調整し、共通の理解を築くことが必要です。
ブリッジSEは以下のような場面で必要となります。
- オフショア開発
オフショア開発とは、企業が自国以外の国にある開発チームや企業に開発を委託する形態です。
主に、コスト削減やリソースの最適化を目的として利用しています。
現在では、ベトナムやフィリピンなどの国々が主要な拠点となっています。
例えば、ベトナムの物価は日本の3分の1程度であるため、人件費も日本の3分の1に削減が可能です。
日本のエンジニアは月単価70万円程が相場ですが、ベトナムでは月20万円で雇うことができます。また、ベトナムやフィリピンは時差も少なく、中には英語を話せるエンジニアもいるため人気のオフショア拠点となっています。 - フォロー・ザ・サン(Follow the Sun)モデル
フォロー・ザ・サン(Follow the Sun)モデルは、グローバル企業が24時間体制でサービスやサポートを提供するための運用モデルです。
これにより、夜勤という概念がなくなります。
例えば、日本の夜の時間帯は、アメリカやヨーロッパの拠点が昼間であるため、常に日勤で仕事が可能となります。
このモデルにより、プロジェクトのスピードと効率が向上し、迅速な問題解決が可能です。 - 海外企業とのパートナー連携
海外企業とのパートナー連携は、企業が国際的なビジネス拡大や技術革新を目指して、他国の企業と協力する形態を指します。
新しい市場への参入や技術力の強化、リソースの共有などを目的としています。
この場合、自社と海外企業の間にブリッジSEが入り、業務の調整を行います。
ブリッジSEの仕事内容
ブリッジSEの主な仕事内容は、クライアントと開発チームの間で情報を正確に伝達し、プロジェクトの進行をサポートすることです。具体的には、以下のような業務が含まれます。
- 外国メンバーへの技術的な指示、フィードバック
外国メンバーへプロジェクトに関する技術的な指示やフィードバックを行います。
日本人PMからの指示内容を理解し、メンバーへ共有します。
共有には、Web会議またはチャットツールなどを活用します。 - ドキュメントの翻訳、作成
プロジェクトに関連するドキュメントの翻訳や作成もブリッジSEが担当します。
利用するソフトウェアの技術仕様書や要求仕様書を外国メンバーが理解できるように翻訳することが求められます。 - 外国メンバーとの業務調整
海外の場合、正月休みや夏休みの文化も異なるため、その調整も行います。
例えば、ベトナムの正月は1月ではなく、2月です。
オフショア開発では日本側が稼働しているが、外国側が休みという状況が多々発生します。
プロジェクトの進捗に影響が出ないよう、スケジュール管理を行います。 - 品質管理
ブリッジSEは、プロジェクトの品質管理も行う場合があります。
アプリやHPの誤字・脱字のチェック、外国メンバーが書いたドキュメントの確認などです。
例えば、オフショア開発の場合、日本語のHPも外国メンバーが作成します。
そのため、成果物に不自然な日本語が使われている場合や、日本語以外の言語が表示されていることがあります。
このようなミスを防ぐために、ブリッジSE側でチェックを行うのです。
ブリッジSEに必要なスキル
ブリッジSEとして成功するためには、さまざまなスキルが必要です。
それぞれ見ていきましょう。
言語能力
ブリッジSEとして最も重要なスキルの一つは言語能力です。
仕事では、Web会議やチャットツールを利用してコミュニケーションを行います。
言語としては英語が使えれば汎用的に活用できますが、オフショアチームの言語を扱えた方がベターです。
ちなみに、日本のエンジニアも英語ができる方はいますが、全くできない方ももちろんいます。
私も英語を読むことはある程度できますが、話すことはできません。
IT知識
IT知識も重要です。
アプリ・システム開発やミーティングでは、IT用語が頻繁に用いられます。
実務レベルのプログラミングや構築スキルは不要ですが、フロントエンドからインフラなど幅広い知識を身に着けておく必要があります。
ブリッジSEになるための学習方法としては、資格取得がおすすめです。
応用情報技術者試験やPMP(プロジェクトマネジメントプロフェッショナル)などの資格を取得するとよいでしょう。
コミュニケーション力
ブリッジSEにとって、コミュニケーション力は不可欠なスキルです。
異なる文化や言語を持つクライアントと開発チームの間で効果的なコミュニケーションを取るためには、高度なコミュニケーション力が必要です。
特に、日本でよくある「いい感じにしといて」は外国では通用しません。
本当に好き勝手に開発をされてしまいます。
私が参加していたプロジェクトでは、オフショアメンバーとのコミュニケーションが上手くいかず、何度も手戻りが発生していました。
異文化理解
異文化理解も重要です。
例えば、ベトナムでは家族を大切にする傾向にあり、基本的に残業を行いません。
そのため、残業ありきでスケジュール管理をすると、納期遅れに繋がります。
当時、私がオフショア開発をしていた際は、ベトナムとの時差2時間であるため、日本側が毎日2時間残業してベトナム側のサポートをしていました。
また、現地の法律も理解しておく必要があります。
ベトナムでは、残業時の割増賃金率が日本より高い傾向にあります。
ブリッジSEの需要と将来性
ブリッジSEの需要は年々増加しています。
これは、日本におけるIT人材不足が大きな要因です。
経済産業省の「IT人材需給に関する調査」によると、2030年には最大約79万人のIT人材が不足すると試算されています。
そのため、IT業界では海外の人員を集めざるを得ない状況となっています。
オフショア先としては、ベトナムはもちろん、フィリピンやバングラデシュも人気です。
以前は中国やインドが人気でしたが、人件費の高騰から東南アジアにシフトしています。
今後の賃金上昇率を鑑みながら、需要のある言語を学ぶとよいでしょう。
まとめ
ブリッジSEは、国際的なプロジェクトにおいて重要な役割を果たす職種です。
クライアントと開発チームの間で円滑なコミュニケーションを確保し、プロジェクトの成功に貢献することが求められます。
ブリッジSEは非常に魅力的な職種であり、特に英語が得意なITエンジニアにとっては大きなチャンスです。
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