ITエンジニアは3K?命の危険がある職種とは!?

ITエンジニアは3K?命の危険がある職種とは!?

働く場所に捉われず、手に職を付け安定した収入を得られる仕事のイメージのあるITエンジニア。
しかし、ITエンジニアの職にも様々な業種があり、必ずしも上記のような仕事ができるとは限りません。
3K仕事と呼ばれるような職場環境や、時には命の危険に遭遇することもあります。

本記事では、ITエンジニアの中でも命の危険や3Kに繋がり得る職種について解説します。

3Kとは

3Kとは「きつい・汚い・危険」という頭文字を取ったもので、元々は工事現場や介護職など肉体労働の職種に使われる表現でした。
しかし、近年では長時間労働の観点からIT系の職場でも3Kという言葉が使われるようになっています。

また、現代のホワイトカラー向けには新3K「帰れない・厳しい・給料が安い」という言葉も登場しています。
従来の3Kと新3Kを合わせて、6Kと呼ばれることもあります。

ただし、ITエンジニア職が全て3K・新3Kに該当するわけではありません。
企業によっては、働き方改革やDX化によりワークライフバランスの充実や業務の自動化による労働環境の改善も行われています。

命の危険があるITエンジニア職4選

一部のエンジニア職では、3Kの「きつい」や新3Kである「帰れない・厳しい・給料が安い」が該当する仕事が存在します。
ここからは、ITエンジニアの中で3K仕事、特に「危険」な職種について解説します。

組み込みエンジニア

組み込みエンジニアは、工場の制御システムや電化製品、車やエレベーターなどの製品内部にソフトウェアを組み込む仕事を行います。
ハードウェアに関わる仕事であるため、機器の設計ミスや動作不良は、巻き込み事故や火災など命に関わる労働災害を引き起こす可能性があります。

アプリケーションやHP作成関係のフロントエンド・バックエンドエンジニアなどと比べると、非常に危険な仕事であると言えます。

フィールドサービスエンジニア

フィールドサービスエンジニアとは、スーパーのレジや銀行のATMなどお客様の拠点にある物理的な機器の設置・メンテナンスをするエンジニアです。
これらの業務では、設置する機器の場所によっては「汚い・危険」な仕事をしなければなりません。

例えば、事務所の天井裏や人の入らないホコリを被った場所、商業施設の屋上などで作業する必要もあります。

そのような場所では、安全対策が十分に行われておらず、劣化や不意の事故などが発生します。

筆者の場合はフィールドサービス部門の人手が足りず、応援として作業をした経験があります。
その際は、手すりなどの安全柵のない施設屋上での作業や、暴風雨の中での作業などもありました。

インフラエンジニア

インフラエンジニアは、サーバーやルーターなどのITインフラ機器の構築・運用・保守などを行う仕事です。

インフラエンジニアの業務の中には、サーバールームやデータセンターにて電源作業をする必要があります。
一部のサーバーやルーターは交流電源(DC電源)を取り扱う必要があるため、誤った操作をしてしまった場合、命に関わる重大な事故につながってしまいます。

また、インフラエンジニアは夜勤の仕事が多いという特徴もあります。
これは、アプリやシステムを動かすサーバーやルーターは24時間動作しなければならないためです。
他にも、メンテナンスのためにアプリやシステムを日中帯に止めるわけにはいかないため、夜間のユーザーが少ない時間帯に作業をすることもしばしばあります。

このような夜勤業務は人の健康に悪く、労働基準法では夜勤労働者への年2回の健康診断を義務付けられているほどです。
以上の理由により、インフラエンジニアの仕事は「きつい・危険」な職種と言えるでしょう。

防災対応型エンジニア

防災対応型エンジニアは、自然災害発生時の復旧作業を行うエンジニアです。
地震や土石流、津波などの災害後は、携帯電話などの通信インフラが停止するため、防災対応型エンジニアが早急に復旧しなければなりません。

しかし、災害発生後に現場へ向かうことは2次災害の危険性が伴います。
被災地での作業は倒壊の危険や感電のリスクが高く、命を落とす可能性もあります。

筆者が所属していた企業も、通信インフラを担っていたため、災害時は移動基地局を展開する部署もありました。
現職当時は幸い労働災害などの話はありませんでしたが、災害時に備えた訓練や安全機器の整備が重要です。

上記以外の職種でも3K・6Kのリスクが

ここまで、命の危険があるITエンジニアの職種を紹介してきましたが、上記以外のエンジニア職でも3K・新3Kのリスクがあります。
それぞれご紹介します。

うつ病などの精神疾患

ITエンジニア職は、うつ病や不安障害などの精神疾患を発症するリスクが高い職種です。
これは、開発スケジュールやデッドラインが迫ることによる精神的なプレッシャーがある場合や、変化の少ない環境で仕事をする必要があるためです。

例えば、プロジェクト開発では、人手不足やクライアント側の追加要望などによって業務負荷が高くなります。

また、ITエンジニアの仕事はパソコン1台でできるため、1日中パソコンの前だけで仕事ができてしまいます。これにより、外でリフレッシュする機会や同僚との会話も減ってしまいます。
これらの環境が重なり、うつ病や適応障害などの精神疾患を発症するリスクが高まるのです。

筆者の職場でも、企業自体はホワイト企業でしたが、業務量が多く、成果も求められる環境であったため、精神疾患で休職する人が後を絶ちませんでした。
年代も若い方だけでなく、30代~40代でも休職する人が多くいました。

運動不足による生活習慣病

多くのITエンジニアは長時間のデスクワークとなる場合が多く、運動不足が状態化してしまいます。
これにより、肥満や糖尿病、心臓病などの生活習慣病のリスクが増加します。

実際、ITエンジニアの1日はトイレ休憩か会議室までの数十メートルほどの移動しか必要ありません。
そのため、運動不足になり肩こりや偏頭痛などが起きやすくなります。
また、仕事で運動しないため身体が疲れず、夜に寝付けないなどの睡眠障害を引き起こすこともあります。

これらの対策として、1時間置きに身体を動かすこと、会社の部活やスポーツジムなどで定期的に運動することが重要です。

「IT土方」と言われるITエンジニア

皆さんは「IT土方」という言葉を聞いたことはないでしょうか。
IT土方とは、長時間・低賃金で働かされるITエンジニアの俗語です。
上記のような環境で働くエンジニアは、月40〜60時間ほどの残業による高い業務負荷、固定残業による低報酬により職場での満足度が非常に低いという特徴があります。

そのような職場は、人の流動も激しく、スキルトランスファーやナレッジの蓄積ができず、また人が辞めてしまうという、負のスパイラルが形成されてしまいます。

まとめ

本記事では、3K・新3Kと言われるITエンジニアの職種やそのリスクについて解説しました。

このような環境では、身体的・精神的な健康だけでなく、自身のキャリアにも影響を及ぼします。

しかし、ITエンジニア業務の全てが、3K・新3Kのような職場環境に当てはまるとは限りません。
多くの企業では、社員の健康と安全を守るために最大限の施策・配慮を行っています。
そのため、ITエンジニアとしてIT業界へ転職する際は、企業選びが重要です。
IT専門の転職エージェントやエンジニア特化の転職サイトを利用して自分にあった企業を選びましょう。

mirapura

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