うつ病で人生が狂った人の末路。エンジニアの実体験を紹介

うつ病で人生が狂った人の末路。エンジニアの実体験を紹介

ITエンジニアは、仕事量や職場環境から、うつ病や適応障害といったメンタルヘルスの不調を発生しやすいとされています。
実際、現役エンジニアである私も、休職や退職されていく同僚を何度も見てきました。

本記事では、うつ病や適応障害に苦しんだエンジニアの実体験とその末路をご紹介します。

IT業界はうつ病や適応障害になりやすい

IT業界は他の業界と比較しても、精神的な負担が大きいとされています。

厚生労働省の令和4年「労働安全衛生調査(実態調査)」によると、情報通信業に従事する労働者の内、36.3%の事業所においてメンタルヘルスを原因とする休職・退職があったと回答しています。
これは、他の業種と比べても最も高い割合です。

それでは、なぜエンジニアはメンタルヘルスの不調になりやすいのでしょうか。
それぞれ見ていきましょう。

業務過多

まず第一に、業務量の多さです。
エンジニアの仕事は「IT土方」「新3K」と呼ばれるような場合があります。
プロジェクトに対する納期や品質を保持するため、長時間労働を強いられることも少なくありません。
会社によっては、月80時間の残業時間や36協定ギリギリの状態で仕事を回しています。

このような状況が慢性的に続くことで、疲労や睡眠不足が積み重なり、うつ病や適応障害となってしまうのです。

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職場環境

職場の労働環境や人間関係も大きく影響します。

エンジニアの仕事はデスクワークが主であるため、基本的に太陽を浴びることなく1日を過ごします。
人間は太陽を浴びないと、脳内物質やビタミンの生成が滞り、心身に不調をきたすことになります。

また、常にデスク周辺には上司や同僚がおり、息抜きや逃げ場がないような職場環境であることが多いです。
これらのストレスが蓄積され、うつ病や適応障害などを引き起こすことがあります。

うつ病・適応障害となったエンジニアの実例

IT業界で働くエンジニアが、うつ病や適応障害を発症するケースは少なくありません。
ここでは、実際に私が経験してきたメンタルヘルス関連の実例をご紹介します。

激務によるうつ病

IT業界では、プロジェクトの進行状況や納期に対するプレッシャーが非常に大きく、それが原因でうつ病を発症するエンジニアも多く存在します。

私の上司は、複数のプロジェクトを同時に担当しながら、部下の相談やヘルプ対応もしなければならない状況でした。
毎日深夜まで残業を繰り返し、休日も返上して働き続けた結果、慢性的な頭痛や不眠となりました。
上司はうつ病と診断され休職となりました。

心理的負荷によるうつ病

IT業界では、技術的な問題やプロジェクトの進行に伴う心理的な負荷が大きい仕事です。

エンジニアにバグやエラーはつきものですが、解決に難航する場合もあります。
このような場合、業務後のプライベートな時間や寝る前、通勤時にもそのことを考えてしまうのです。
実際、私も問題が解決しない場合は土日もその問題が頭をよぎり、リフレッシュできなくなります。

これにより、徐々にうつ症状が現れ、ある日突然職場に行くことが出来なくなってしまうのです。

パワハラによる適応障害

残念ながらIT業界にもハラスメントが存在します。
上司から高圧的な態度を取られ、業務の進め方や成果に対して批判を受けることがあります。

実際に私も、理不尽なハラスメントを受けたことがあります。
ミーティング時に議事録のメモを作成していたところ、上司から「内職するな!」と叱責を受けました。
他にも、「言い訳するな」「いいからやれ」など強い言葉で批判されたこともあります。

批判を受けている最中、眩暈や聴力に異常を感じ、意識が飛びそうになるような経験でした。
これにより私は適応障害を発症し、半年ほど休職をすることになりました。

体育会系上司が原因で適応障害に

IT企業には少ないですが、体育会系の上司も一定数います。
体育会系の上司は、精神的な強さや忍耐力を求める傾向が強く、その価値観を部下にも押し付けることが多いです。
しかし、すべてのエンジニアがそのような環境に適応できるわけではなく、適応障害を発症するリスクが高まります。

私が経験した体育会系上司は、「俺が右と言ったら、それが左でも右を向け」と指導し、論理が破綻していることも直観で全て進めるスタイルでした。
その結果、体育会系上司がいる部署は、離職率や休職率が跳ね上がるという状況になっていました。
さらに厄介であるのが、体育会系の人間は「目上には媚びる」ということです。
そのため、役員や部長クラスからみると、これらの行動が異常なく見えてしまうのです。

無理やり復職し体調がさらに悪化する

うつ病や適応障害の疾患では、一般的に1ヵ月から3ヵ月、長ければ1年ほどの休息が必要です。
しかし、責任感のあるエンジニアの場合は、体調が回復しないうちに復職する人もいます。

私の同僚で、うつ病による休職後、1ヵ月で復帰した方がいました。
担当しているプロジェクトの納期が間近だったためです。
その結果、プロジェクトは無事に完了しましたが、同僚はその後再び休職することになりました。
2回目の復職には1年ほど掛かってしまいました。

うつ病・適応障害になったエンジニアの末路

うつ病や適応障害を発症したエンジニアたちは、その後のキャリアにおいてさまざまな困難に直面します。
ここでは、うつ病や適応障害を経験したエンジニアの末路を紹介します。

出世レースからの脱落

メンタルヘルスで休職した人は、「休職経験者」としてその烙印を押されます。
会社から見ると、またいつ休職するか分からない人材を出世させたいとは思わないためです。

出世レースから脱落することは、エンジニアにとって大きな挫折となります。
特に、これまで順調にキャリアを積んできたエンジニアにとって、仕事へのモチベーションを保つことが難しくなります。

休職による生活費の圧迫

休職した場合、その期間中の生活費にも注意が必要です。
一般的に、休職中は傷病手当金が受給できますが、受給には条件や期間が定められています。
さらに、これまで給与から天引きされていた社会保険料などの金額分は、天引きするお金がないため実費で振り込む必要があるのです。

私が休職していた時は、傷病手当金のほとんどが税金の支払いに消えることになりました。
そのため、その時の家賃や生活費は貯金を切り崩しながらの生活となります。
私の同僚も1年ほど休職していましたが、休職で貯金がゼロになったと言っていました。

部署の異動

うつ病や適応障害を経験したエンジニアが、復職後に元の部署での勤務を続けることが難しい場合、部署の異動を提案されることがあります。
あるエンジニアは、復職後も以前の業務内容に対するプレッシャーやストレスが再発し、結局、別の部署への異動を余儀なくされました。

部署の異動は、これまで積み上げてきたスキルや経験がゼロになってしまいます。
また、本来やりたかった仕事ができなくなるなどのデメリットもあります。

退職を余儀なくされる場合も

うつ病や適応障害が重篤化し、復職が困難となった場合、最終的には退職を選択せざるを得ないエンジニアもいます。
私の同僚の中には、長期間にわたる治療と休職を経ても、職場に戻ることが精神的に困難であると判断し、自ら退職を決断した人もいました。

まとめ

本記事では、うつ病や適応障害を発症したエンジニアの実例とその末路について紹介しました。
IT業界は、激務や高いプレッシャーにさらされやすい環境であり、その結果、精神的な健康を損なうリスクが高い職場です。

エンジニアとしてのキャリアは、単なる技術力だけでなく、精神的な強さも必要です。
これからのIT業界で働く皆さんには、この記事を通じて、自分自身の健康とキャリアについて考えるきっかけになれば幸いです。

kait78

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