SES・フリーランスエンジニアが避けるべき案件の特徴とは?
2024.07.08
フリーランスエンジニアやSESのエンジニアにとって、案件選びは非常に重要です。
適切な案件を選ぶことで、スキルの向上やキャリアアップが期待できる一方、プロジェクトによっては大きなリスクやトラブルに巻き込まれる可能性があります。
本記事では現役フリーランスエンジニアである筆者が、特に避けるべき案件の特徴、そして危険な案件を回避するための対策を解説します。
エンジニアにおける案件選びの重要性
はじめに、ITエンジニアにおける案件選びの重要性について解説します。
ITエンジニアには、アプリケーション開発やシステム保守など、さまざまな案件があります。
フリーランスになりたての方やSES業界未経験の方は、「企業が出している求人は、どの案件も同じだろう」と考える方がいるかもしれません。
しかし、それは大きな誤解です。
案件選びはエンジニアとしてのキャリアに大きな影響を与える重要な要素となります。
それでは、エンジニアにおける案件選びの重要性について見ていきましょう。
フリーランスエンジニアの案件選び
フリーランスエンジニアにとって、案件選びは自分のキャリアや収入に直結する重要な要素です。
案件選びに失敗すると、エンジニア個人に精神的・金銭的な被害が発生する可能性があります。
例えば、PM(プロジェクトマネージャー)の案件では、チームが原因で品質問題やプロジェクトの遅延、情報漏洩などが発生すると、それに掛かる損害賠償が個人に請求される場合があります。
また、PM以外でも、個人という弱い立場を利用され、無理な納期を要求される場合や、多くの雑務・業務を押し付けられることがあります。
これにより、過度のストレスや過労に悩まされ、健康を損なうこともあります。
SESの案件選択制度
SESとは、クライアント先にエンジニアを派遣して労働を提供するサービス形態です。
エンジニアはSES企業に所属し、企業側からプロジェクトにアサインされて働くことになります。
SES企業によっては、案件選択制度を設けているところもあります。
この制度を利用することで、エンジニアは自分のスキルや希望に合った案件を選ぶことができ、より満足度の高い働き方が可能になります。
企業の後ろ盾があるため、個人に損害賠償が請求される可能性は低いですが、案件選択を誤ると、職場環境が悪い現場に常駐することになりワークライフバランスを落としてしまうことも考えられます。
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避けるべき案件の特徴
避けるべき案件には共通する特徴があります。
これらの特徴を把握し、案件選びの際に注意することで、トラブルを回避することが可能です。
炎上中案件
案件の中には、炎上案件と呼ばれるプロジェクトがあります。
炎上案件とは、すでにプロジェクトが開始されており、納期遅れや品質低下をクライアントから指摘されているような案件です。
炎上中の案件は、クライアントとの関係も上手くいっておらず、メンバー間の雰囲気も悪い傾向にあります。
また、十分なリソースや時間が十分に確保されていないことが多く、エンジニア個人に大きな負担がかかります。
私の同僚にも、参画したプロジェクトで、サービス開始1ヵ月を切っているにもかかわらず、進捗4割程度の炎上案件だったという話もありました。
クライアント側もクレームが絶えず、謝るところから仕事を始めたそうです。
長期間求人されている案件
長期間に渡り求人され続けている案件には、何らかの問題が潜んでいる可能性があるため注意が必要です。
優良案件では、募集が殺到し比較的早く募集が打ち切られます。
このような案件は、人員を確保してもすぐ辞めてしまうような職場環境であることが多いです。
例えば、上司やPMがハラスメントをする、残業時間が多いなどが挙げられます。
発注者のITリテラシーが低い
発注者のITリテラシーが低い案件も、避けるべき特徴の一つです。
ITリテラシーが低い発注者は、プロジェクトの進行や技術的な問題に対して正しい判断を下せないことが多く、エンジニアにとってストレスフルな環境となります。
例えば、技術的な要求が曖昧であったり、非現実的な期待を押し付けられたりすることがあります。
また、発注者のITリテラシーが低い場合は、プロジェクトの方向性が定まらず、進行中に仕様変更が頻発することも少なくありません。
これにより、プロジェクトの納期が遅れる場合や、品質が低下するリスクが高まります。
「フルスタックエンジニア」の案件
自身のスキルにもよりますが、フルスタックエンジニアを募集している案件には注意が必要です。
フルスタックエンジニアとは、インフラ、プログラミング、開発・設計など、さまざまなスキルを有したエンジニアを指します。
フルスタックエンジニアは、その多様なスキルセットから高い評価を受けます。
しかし、企業側がその役割を悪用することも少なくありません。
例えば、少人数で広範囲な業務を任されることが多く、細かい指示が省略されることがあります。
また、チームの中でも「何でも屋」として認識され、業務が集中してしまう可能性もあります。
エージェントやSES企業から経歴詐称を指示される場合も
エージェントやSES企業の中には、エンジニアに対して経歴を偽るように指示される場合もあります。
これは非常に危険であり、絶対に避けるべき案件の特徴の一つです。
経歴詐称は法律違反であり、発覚した場合には重大なペナルティを受ける可能性があります。
また、自分のスキルに見合わない案件であるため、参画後もプロジェクトの品質に悪影響を及ぼすことがあります。
実際私の周りでも、SES企業の営業が案件アサインのためにエンジニアに経歴を詐称させるといった話をよく聞きます。
自身のキャリアと信頼を守るためにも、正直で透明性の高い企業とだけ関わるようにしましょう。
危険な案件を受けないための対策
最後に、これまで紹介したような案件を受けないための対策・方法について解説します。
信頼できるフリーランスエージェントを利用する
エージェントを利用して案件を紹介してもらう場合は、信頼できるフリーランスエージェントを利用しましょう。
エージェントは、エンジニアのスキルや希望に合った案件を厳選し、提供してくれます。
また、エージェントを通じて案件を受けることで、契約条件の交渉やトラブル発生時の対応など、さまざまなサポートを受けることが可能です。
エージェントが仲介することで、クライアントとの直接のやり取りを減らし、スムーズにプロジェクトを進行させることができます。
下記では、フリーランスエンジニアの方におすすめの案件紹介サービスサイトをまとめています。
実際に案件紹介サービスを利用している企業の採用担当者が監修しており、サイトの特徴や求人数などを一覧で見ることができます。
面談時にプロジェクトの詳細を聞く
面談時にプロジェクトの詳細について聞くことも、案件を見極める重要な対策となります。
プロジェクトの状況、メンバーや業務内容、また面談担当者のITリテラシーについても把握しておくと良いでしょう。
業務委託契約書や労働条件通知書を確認することも重要です。
口頭でのみで内容を確認するだけでは、後で言った・言わないなどのトラブルに発展する可能性があります。
面談や契約書で危険と感じた案件は、無理に受注せずに他の案件を受けるようにしましょう。
コミュニティの活用
エンジニアコミュニティに参加することで、他のエンジニアからの情報を得ることができます。
コミュニティ内での情報交換やアドバイスを通じて、避けるべき案件や信頼できるクライアントについての知識を深めることが可能です。
特に、同じ分野や技術を扱うエンジニア同士のネットワークは、貴重な情報源となります。
フリーランスエージェントサービスの中には、定期的にフリーランスエンジニア向けのイベント・オフ会を開催しているサービスもあるため、積極的に活用すると良いでしょう。
まとめ
フリーランスエンジニアやSESエンジニアにとって、案件選びはキャリア形成において非常に重要な要素です。
適切な案件を選ぶことで、スキルの向上やキャリアアップが期待できる一方、避けるべき案件に手を出してしまうと、大きなリスクやトラブルに巻き込まれる可能性があります。
本記事で紹介した危険案件を回避するには、信頼できるフリーランスエージェントの利用やエンジニアコミュニティの活用が重要です。
また、面談時にプロジェクトの詳細を確認し、契約内容をしっかりと把握することで、リスクを最小限に抑えることができます。