インフラエンジニアは楽って本当?現役エンジニアが理由を解説!
2024.07.10
将来IT業界で活躍を目指す方々にとって、インフラエンジニアの仕事が「楽」という記事を目にした方がいるかもしれません。
しかし、実際にこの仕事がどれほど楽なのか、疑問に思う方もいるでしょう。
本記事では、インフラエンジニア歴10年の筆者が、インフラ業務が楽と言われる理由について経験談を基にご紹介します。
インフラエンジニアとは
はじめに、インフラエンジニアの仕事についてご紹介します。
業務内容
インフラエンジニアは、企業のネットワークやサーバー等のITインフラを設計・開発・運用管理を行うエンジニアです。
企業のホームページやアプリケーションの基盤部分を担い、トラブルが発生した際の迅速な対応や、長期的なシステム運用も必要となります。
また、システムを構築して終わりではなく、数年単位でソフトウェアのバージョンアップや障害対応などの運用管理業務が発生するということも、インフラエンジニアの特徴の一つです。
他にも近年では、オンプレミス環境だけでなくクラウド環境の構築・運用管理などの業務も担うようになりました。
インフラエンジニアは、主に機器ベンダーやISP(インターネット事業者)、事業やサービスを請け負うSIerや、SESを行う企業等で働くこととなります。
インフラエンジニアの種類
インフラエンジニアには、いくつかの専門分野があり、それぞれ異なる役割を持っています。
業務範囲は企業によりますが、1つの分野に特化して業務を行う場合と、複数の分野を担当する場合があります。
それぞれ見ていきましょう。
- ネットワークエンジニア
ネットワークエンジニアは、企業の社内ネットワークや本店・支店間のネットワーク等を担当します。
ネットワークエンジニアは主にルーターやスイッチ、ファイアウォールの設定を行い、社内や拠点間のネットワークの安定性とセキュリティの責任を担います。
- サーバーエンジニア
サーバーエンジニアは、アプリケーションやホームページ等のサーバーの管理を行うエンジニアです。
サーバーのOSのインストールやアップデート、データのバックアップ・リストアも責任範囲となります。
アプリケーションやシステムの事業継続性を保証するための重要な役割を果たします。
- セキュリティエンジニア
セキュリティエンジニアは、ファイアウォールや脆弱性管理などサイバーセキュリティ対策を行うエンジニアです。
セキュリティポリシーの策定、実施に加え、侵入テスト、リスク評価、監視システムの設計と運用を行います。
- クラウドエンジニア
クラウドエンジニアは、AWSやGoogle Cloudなどのクラウドサービスを扱うエンジニアを指します。
AWSを利用したインフラシステムの構築・運用、スケーラビリティやコスト効率の改善まで、クラウドに関するあらゆる業務を担います。
インフラエンジニアの仕事が楽と言われる理由
一部のネット記事では、「インフラエンジニアの仕事が楽」という意見がありますが、これはどのような理由から言われるのでしょうか。
ここからは、その理由について具体例を挙げて解説します。
ルーチンワークが多い
インフラエンジニアは、他のエンジニアと異なり設計・開発以外の運用という業務の割合が多くを占める職種です。
この運用業務は、日々の作業が予測可能でルーチンワークが多いという特徴があるため、「楽な仕事」と言われています。
システムの構築後、数年も経過するとバグの改修やナレッジが蓄積され、ほとんどの業務が手順書化・自動化されていきます。
そのため、運用の仕事は手順書通りに進めていけば業務を遂行可能となっているのです。
筆者の場合も、定型業務として日々のsyslogのチェック、調査ログの取得、正常性確認、CPUやMemoryリソースの目視確認などの業務を行っていました。
これらの業務で想定通りであれば通常の処理、異常が見つかれば、異常時の対応手順を行うというように、完全にマニュアル化された仕事をこなしておけば良いという環境でした。
障害がなければ暇
インフラエンジニアの運用業務は、障害が発生しなければ非常に楽な仕事と言えます。
運用する台数や規模にもよりますが、機械やシステムは毎日のように障害を起こすものではないため、緊急対応が必要な障害の頻度も月に1回程度です。
筆者の場合は、障害や問い合わせなどのない時間は同僚との世間話や、地震・津波などの災害情報収集用に映されているテレビなどを見て過ごしていました。
1日の内で対応が必要なアラームや問い合わせは3~5件程度で、数分から30分で終わるようなものがほとんどです。
もちろん、サービス断の伴う障害時は迅速な対応が必要であり、大規模障害の場合には不休で働かなければいけない場面もあるため、ずっと楽という仕事ではありません。
実際、私は最長で27時間という長時間労働も経験したことがあります。
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仕組みや技術が単純
インフラエンジニアが扱う機器の仕組みや技術が単純であるという点も、楽と言われる理由の一つです。
インフラエンジニアが扱うネットワークやルーター等の機器は、主にOSI参照モデルのレイヤー1〜レイヤー3に当たります。
このような低レイヤー層では、IPやMACアドレスを使ったプロトコルしか扱えないため、非常に仕組みが単純です。
また、サーバーの場合も、Linuxのコマンド体系や仕組みさえ理解しておけば、ほとんどの業務を遂行することができます。
勉強量が少ない
インフラエンジニアリングの分野において、一度基本的なスキルと知識を身に付けると、その後の勉強量が比較的少なくて済むという点も、「仕事が楽」と感じられる理由の一つです。
これは、現代のインフラ技術が既に安定しており、大幅な改変や技術革新が少ないためとなります。
例えば、バックエンドやフロントエンドなどのプログラミング言語を扱う場合は、言語自体のバージョンアップや、ライブラリの選定、案件に応じたSDKやソフトウェアの対応など非常に多くのことを学ぶ必要があります。
インフラ分野の場合は対照的に、サーバーOSはWindowsやLinux、ネットワークのルーティングではOSPFやBGPなど、必要な知識の数が限定的となります。
まとめ
インフラエンジニアは、企業のネットワークやサーバーといったITインフラの設計、開発、運用管理を行う仕事です。
インフラエンジニアの業務では、ルーチンワーク化された業務も多々あり、また機器やサービス障害がなければ仕事自体がなくなるため、他の職種と比べると楽な仕事と言えるかもしれません。
さらに、インフラエンジニアが扱う技術の仕組みは比較的単純であるため、複雑なプログラミング知識を必要としない場合が多く、初学者にも理解しやすいことも楽と言われる要因の一つです。
ただし、大規模なシステム障害が発生した場合には、迅速かつ効果的な対応が求められ、高いプレッシャーの下で作業を行う必要があります。
また、将来のキャリアアップや近年の技術革新と考えると、インフラエンジニアも新しい技術やトレンドに適応するための継続的な学習が必要ということを理解しておきましょう。
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